崖っぷち体験②

私のお菓子を応援してくれた関係者のトラブルから半年後のこと。


ある有名レストランのオーナーにクッキーの売り込みをして採用され、
その代わりに、1人で朝食担当とフロアのアルバイトを頼まれました。


ところが、2ヶ月経ってもお給料が私だけもらえない。
その理由をオーナーに聞いたところ、アルバイト代を払うとは言ってない、と衝撃的な答えが返ってきました。


オーナーは今までに何人もアルバイトを頼んでは、理由をつけてお給料を払わないのでアルバイトが次々に辞めているとの事。


私もその1人で、お給料をもらえるのは正規の2人のスタッフだけでした。



そこは有名ですが古いレストランなので一般的なオーブンやレンジではなく、旧式のガスオーブンや特殊な製粉機があり、使い方をやっと習得してクッキーの販売を始めたばかり。


バイト代が出ないから当然辞めるつもりでしたが同僚に説得され、貯金を崩してクッキーの売り上げを伸ばすためにがんばることに。


毎日早朝から次々に新作を生み出し、チラシを作り、クッキーは売上が伸びました。
食事せずクッキーだけ買いに来てくれる人、大量買いしてくれる人、たまに来店する芸能人も買ってくれる!


努力の甲斐あり売り上げは伸び続けました、でも家賃には届かない。


「製粉機が壊れたら辞め時かも、、、クッキー作れなくなるし」そんな考えが浮かんだ1ヶ月後、製粉機は壊れました。


実はこれはガイドからの辞め時サインだったのですが、私はこれを偶然と捉え、製粉機を修理できる人を探してその後も使いました。


でも創作意欲が日に日に衰え、友達にも「早く辞めて」と言われ。・・・当然ですよね。

クッキーはファンが増えたので続けるか辞めるか迷いました。が、突然事態が変わりました。なぜか同僚との会話が噛み合わなくなり露骨に嫌がらせされ、結局2週間後に退職。



更にわずかな売り上げをごまかされ、材料費の買い取りをさせられ、散々な最後でした。


これはガイドからの最終通告です(笑)つまり、いつまでも居続けようとすると周りから追い出されます^^;

貯金が底をつき、初めてのキャッシング。。。。そしてあの温厚な同僚が別人のようになった。このことに私は深く傷つき、怒りと悲しみで人間不信状態でした。



とにかく1日も早く仕事をしないと、家賃が払えない。切羽詰まってました。



片っ端から電話するも、どういうわけか仕事が決まらない。今回に限ってなぜ?泣きました。

家賃が払えない!マンションを追い出されてしまう。

ひとしきり泣いた後、「泣いてる場合じゃない!仕事を探すんだ!」と気を取り直して再び探し始めたら、電話した派遣会社から、「明後日から働けますか?」と連絡があり、何とか仕事が決まりました。


安堵でしばらく放心。。仕事は決まったけど、職場に行く交通費がない(笑)でも、どうにか繋いだと思います。

この1年は本当に本当に私を疲れさせましたが、これも今となっては笑い話です^^


値段が多少高くてもお菓子のファンが増えたこと、バリエーションが増えたこと、レストランで朝食を一人で担当できたことは大きな自信になってます。

一見、ネガティブな出来事ですが、ここでの経験は大きな自信に繋がりました。


有名なレストランで、資格もキャリアも知名度もない私のクッキーをたくさんの人がリピートしてくれる。そんな機会を与えてくれたレストランは他にありません。


この後もいろいろな体験をするのですが、嫌な出来事ほどそこに大きなギフトがある。そして必ず道はある。それを身を持って体験したのでした。


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