以前、言霊の失敗談「言霊の前にやること」を投稿しましたが、もう1つ、こんなケースをご紹介します。
私の母は、長いあいだ身体に障害を抱えていました。障害の原因は、体質に合わない薬を無理に飲み続けたこと。
そこからどんどん性格が変わり、いつも眉間にしわを寄せ、厳しい顔つきになり。。
そんな母と私の関係は、父が亡くなったあと悪化し、実家に帰る度に言い合いをするようになりました。思えば父はストッパーだったのかもしれません。
そのせいか母は、私より主治医の先生をとても信頼するようになりました。
毎月の検診で、母の身体の症状から生活に変化が起こったことを先生が察してくれたこと、また人気の先生なので周りから羨ましがられたこと(!)で、母にとっては自慢の先生だったようです^^;
例えば私がどんなに母に禁煙を勧めても、1㎜もやめる気配がなかったのに、先生に1回言われただけでピタッと禁煙したのは、正直ショックでした^^;
ある日、母が体調のことで先生に相談したら、冗談交じりにこんなことを言われたそうです。
「○○さんは、認知症になるしかないな(笑)」
母からその話を聞いたとき、私は耳を疑いました。
医者が冗談でもそういうことは言っちゃダメじゃないの?
なのに母もまた、笑いながら繰り返し「認知症になるしかないって♡」と私に言うのです。
おそらく先生は、母を「それくらいしっかりしている」と言いたかったのでしょう。母もそれを理解していたのだと思います。
そう思った私は
「うちの家系に認知症いないでしょ?お母さんは認知症にならないよ」と母に諭しました。
ところが何度そう言っても、母は私が帰省のたびにその話をするのです。それも嬉しそうに。
そして、それから3年後、母はとうとう認知症になりました。
症状は数年かけて悪化し、徐々に徐々に私のことが分からなくなりました。脳梗塞と脳腫瘍なども併発していたようで、言葉も喋れなくなりました。
原因となった主治医はずいぶん前に異動になったようで、ご自身の悪気ない言葉で母が認知症になり、そのまま他界したのを今でも知らないと思います。
仮にも医者が、、、いえ、どんな人でも、冗談でも言ってはいけないことがあります。
母は笑いながら口癖のように言っていましたが、それは言霊という名の呪いとなりました。それこそが実現しやすいのだと思います。
口ぐせ、本当に気をつけたいものです。自分自身、良い言葉を選ぶよう心掛けています。